六本木 柴眼科

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白内障手術

白内障手術

水晶体乳化吸引術

現在一般的に行われている手術方法です。白目と黒目の境目に2mm前後の切開創を作成して(図1)、針や鑷子を用いて水晶体の殻(水晶体嚢)の前側に丸く穴を開けます(図2)。

手術方法1
(図1)
手術方法2
(図2)

最初に作成した切開創から挿入した超音波白内障手術装置を用いて、超音波を用いて混濁した水晶体を眼内で砕いて吸引除去します(図3)。内容物が取り除かれた水晶体の殻の中に人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入します。濁った水晶体を取り出した後に、眼内レンズを眼内に挿入します(図4)。その後、眼の中をよく洗って終了です。多くの症例で、傷口は糸で縫わずに終了となります。

手術方法3
(図3)
手術方法4
(図4)

白内障手術の注意点

手術である以上、その安全性は100%ではありません。しかし,最近の白内障手術はきわめて安全になっています。白内障以外に眼の病気がない患者様では、殆どの場合白内障手術によって良い視力を回復することができます。しかし、視力が回復する速さは患者様の眼の状態によって異なっており、手術翌日からよく見えるようになる人もいれば、回復に1ヶ月ぐらいかかる人もいます。また、眼のフィルムである網膜や、眼の神経(視神経)が障害されている場合には、視力が回復しないことがあります。したがって、手術前から黄斑変性症や糖尿病網膜症などで網膜が強く障害されている場合には、手術によってどの程度視力が回復するかは不明です。なお、白内障で水晶体が強く混濁している場合には、眼の中を詳しく調べることができないため、手術を受ける前には網膜や視神経が障害されていることが分からないことがあります。

まれ(500件に1件の頻度)ですが、手術時に眼内レンズを挿入しない方が良いことがあります。これは、水晶体を支えている組織が弱くて水晶体が正常な位置からずれている(脱臼している)ときや、水晶体の嚢が弱くて術中に破れた(破嚢)ときなどです。そのような場合でも、手術後の眼の状態が良好であれば、後日眼内レンズを特殊な糸で眼に縫い付ける手術を受けることが可能です。
極めて安全に行われるようになった白内障手術でも、必ず一定の割合(1~2%)で手術中に合併症が発生します。しかし、そのような合併症が発生しても、最終的には90%以上の方は通常の場合と大差ない結果を得ることができます。
通常の場合、手術後には眼鏡が必要となります。手術で人工の眼内レンズを挿入しても,通常の眼内レンズには調節する力が無いため、遠近両方にピントを合わせることは不可能だからです。たとえば、眼鏡なしに遠くが良く見えれば老眼鏡が必要であり,手元が良く見えるようであれば遠く用の眼鏡が必要となります。術後に眼鏡をかけたくない方には、多焦点眼内レンズという選択肢があり、院長は国内でも有数の手術件数を経験しております。どうぞお気軽にご相談ください。

最も重い合併症は、術後の感染症です。2000~5000例に1例の頻度で発生するといわれています。きわめて稀ではありますけれど、一度発症すると視力の回復を望めない場合がありますので、このような合併症を未然に防ぐためにも、手術後の診察が大変重要です。

白内障手術は簡単?

以前に比べて、手術時間が短くなり、手術中の痛みもなく、手術の安全性も飛躍的に向上しました。また、日帰りで手術を受けることも可能になりました。したがって、患者様にとっては、以前よりも負担が少なく、気軽に手術を受けることができるようになったわけです。

しかし、白内障手術の手技は、以前とは比較にならないほど細かい操作が多く、難しくなっています。また,どんなに安全な手術であっても、合併症はやはりある一定の確率で起こります。手術中に術者が誤った処置をしていないにもかかわらず合併症が発生する頻度は、1~2%程度と考えられており、中には術後視力が回復できない場合もあります。手術である以上、危険性を0にすることはできませんので、あまり軽い気持ちで手術をお受けになられることは避けられた方が良いと思います。院長は国内でも有数の手術経験を持っており、そのような合併症に対する適切な処置ができるため、合併症が発生しても最終的には90%以上の割合で通常の場合と大差ない結果を得ることができています。手術の時間が少し長くなっても、安全な手術を行うことを第一に考えています。